番外編「ホームページからのお問い合わせQ&A」

[今回はコラムと言うより実際にあった『HPからのご質問』に対してのメールのやり取りをご紹介します。
(私の住宅に対する考え方の一部が表現できているような内容なので・・・。)
少し長いですがご興味のある方はぜひ参考までにお読みください。]

≪2004年2月〜3月頃のある一人のお客様からのメールでのやり取りです≫
 
  【問合せ一回目】

近年、集成材を薦める建築会社が多いようです。コストや強度等いろいろな理由があるようですが、無垢材の価値(採用頻度)はかなり減っているのが現状なのでしょうか。
新築を考えるときに無垢材の採用は時代遅れなのでしょうか。
 
  【問合せ一回目に対しての返信】

初めまして、HPよりのお問い合わせありがとうございます。私、吉田建設鰍フ部長:吉田裕彦(やすひこ)と申します。
ご質問についてですが、確かにいろんな建築屋さんの考え方がありますので、一概に言えませんが、弊社の(私の)考え方でお答えさせていただきます。

 私が思うに集成材を進める会社が多いと言う点については、おそらく今日の工期短縮による建て方後の天然乾燥期間の減少や、高断熱高気密化による24時間全館暖房等の普及により、建築後の「やせ」や、「狂い」「ヒワレ」を嫌っての考え方が第一にあると思われます。
そういう意味で集成材は確かに有利でいくら乾燥した無垢材を使っても多少の やせ… などが生じるのは否めません。確かに建築後のクレーム等を嫌ってのことであれば集成材の選択をする建築会社さんも多く居られると思います。

 但しコスト面では本格和室の無節の無垢柱と集成材の化粧材張りの柱では断然無垢が高くなるでしょうが、それ以外の構造材等で考えれば太さや、長さ、樹種にによっては同じサイズでも集成材が高い場合もあれば、安い場合もあったり似たような値段になったりで一概に言えません。単純に輸入材と国産材の比較ですとまだ輸入材の方がコスト面では割安感がありますが…。そんなことで集成材と言うよりも輸入材の採用頻度は全国的に間違いなくまだまだ多いようです。

 強度面では、同寸法の材料であれば一応集成材が強度があることになっていますが、集成材は固い感じがしますので、しならっこさ粘り強さについては無垢のほうがあるようにも思われます。地震国の日本では無垢のしならっこさが合う様な気もします。

 弊社も決して集成材を使わない訳ではありませんが、コストや強度の問題がない限りできるだけ無垢材を使うようにしています。それはまずは集成材よりもやはり温かみがあること、接着剤で繋がれたのではなく純粋な繊維の束が木の本来の粘り強さや、生命力を感じさせてくれる事。当然接着剤を使用してないので科学物質の影響がないこと。そして何より単純に本物であることの実績、信頼感、継
続的な安心感。・・・などからです。

 以上のような理由で多少の建築後のヤセやヒワレ等の経年変化があったとしても、無垢の特性、良さを理解し『味が出た』くらいに捉えていただけるお客様であれば、私も無垢材を積極的にお勧めします。ですので無垢材の採用は決して時代遅れとは思いません。かえって今日の健康住宅的発想からすれば先端を行く考え方と思います。 
実際に20代のお客様で昨年無垢の県産杉で構造表しの家を建てさせて頂きましたが、雰囲気がとても良いと喜んでいただいております。

以上お答えになったかどうか分かりませんが参考までにお受けとめください。また、木の特性などの資料パンフを持っていますので宜しければお分けしますし、また他に質問等あればいつでもご連絡ください。 (尚文書が長くなりすみませんでした。)
 
【問合せ二回目】

丁寧な御回答ありがとうございました。土地の取得を1年前にして、いよいよ新築を考え始めたところです。土地の取得に係わって頂いた建築会社と2回ほど話し合いをもちました。
しかしその会社は集成材の利点だけを説明されたので、合点がいかず悩んでいました。現在の住居が無垢材なので、今度の家をどのようにしようか迷っています。ヨシケン様のアドバイスで集成材について納得しました。建築会社の決定にはなかなか難しいものがあります。
医者にかかるのと同じで、何しろこちらはズブの素人。すこしずつ勉強はしているのですが、勉強すればするほど混乱してきます。ヨシケン様の建築についての考え方をもう少し知りたいと思います。
再度問い合わせをさせて頂きます。お忙しい中、本当にありがとうございました。
 
【問合せ二回目に対しての返信】

返信の返信で失礼致します。

今月 3月21日(日) 午前7時30分〜8時 TeNY 『テレビグラフ新潟』 テーマ 「にいがたの木」で家づくりと言う番組が放送されます。
無垢材、という話題より少しピントがずれた話かも知れませんが、県の広報番組として新潟県産材を利用した家づくりの利点などを紹介するそうです。 
その中で先のメールでお話した、昨年弊社で新築させて頂いた20代のお客様の家とお客様のイン
タビューが放送されることに決定しましたので、もし良かったら参考までにご覧いただければと思います。(私も施工者として登場するかもしれません) 何らかのヒントになれば幸いです。
 
また、私でよければいつでもお問い合わせお待ちしております。

TeNY(テレビ新潟)の取材を受け、実際に放送された映像を
ご覧いただけます。
  ここをクリックすると映像がご覧いただけます。(WMV形式 5.94MB)

【問合せ三回目】

久しぶりにメールを送らせて頂きます。3月21日(日) 午前7時30分〜8時TeNY『テレビグラフ新潟』テーマ「にいがたの木」で家づくりをみました。県内産の杉の良さがよく解りました。また吉田様の説明も的をえていて、わかりやすく好感がもてました。
ところでひとつ教えて頂きたいのですが、木を生かした家造りを考える場合、風通しと冷暖の対策と結露をどのように考えたらよいのでしょうか。あの番組で紹介されていた建物は、高気密・高断熱工法を採り入れているのか、教えて頂けると助かります。
 
【問合せ三回目に対しての返信】
 テレビを見ていただきましてありがとうございます。
 あの番組で紹介されたお宅はいわゆる高断熱・高気密工法の一種で外断熱工法という手法(弊社ホームページの「ヨシケンの家づくり」で紹介しているS邸の事例と同じ断熱手法)を採り入れています。
木を生かした家造りを考えた場合、本来夏場だけのことを考えるとそこそこ風通しの良い土地であれば、昔ながらの土壁塗りのような家にして適度に隙間風が入るつくりにし、屋根の断熱さえしっかりしてれば涼しい日もあり木も呼吸するのでそれはそれで理想のような気がします。
冬だって暖房しなければ単純にそのほうが木には良いと思います。ただし近年、夏で言えば異常気象で35度を越える異常な暑さや梅雨のじめじめの時にはエアコンも付けたくなるでしょうし、冬であれば暖房と結露のことを考えて人間の健康上、家の断熱と気密性をある程度上げてやる必要性があると私は考えております。(よかったら弊社ホームページ「家こらむ」@・Aを参照してください)

 そこでやはり私は基本性能として高断熱・高気密的な手法を用いることは大事で、中でも木を考えた時外断熱工法は木が呼吸しやすい環境ですし、木が見える造りにも適しているのでお勧めです。(前にもお話した無垢材の多少の干割れ等の可能性だけご理解いただければ)そして私の考えとしては単に機械の暖冷房を重視した窓の小さい超高断熱・超高気密という家ではなく、日本の四季を意識してある必要なレベル気密と断熱性能を有して、ご指摘の風通しを考えるという点で開けれるとき開けれて、閉めれるとき閉めれる窓や間取りを考慮した家をお勧めします。
機械による暖房冷房が必要なときにはしっかり閉めれて、春や秋天気のいい日、夏でも風の通る日には窓を開けて外の新鮮な空気を取り入れたり、冷房を利かせなくても涼しかったりというような設計に配慮した家です。
 気候のいいときは直に外の空気に触れる事は当然それが人だけでなく木にも良い訳ですし、それにそうした基本性能を持たせた家の内装に無垢の木をふんだんに使用すれば、木の持つ調湿効果やの断熱・保温能力等が生かされて、空気をさわやかに保ってくれたり暖冷房の補助になったり、四季を通して木が活躍してくれるはずです。

 例えばテレビに紹介された下田の家は上記のような考え方の延長で、南側に木のベランダを設けあえて大きく窓を取り、夏場は太陽高度が高くなるのでベランダが日よけ代わりになり窓を開ければ風がある日は涼しく過ごせる。冬場は太陽高度が低くなるので晴れた日には日よけの効果が無くなり逆に部屋の奥まで日が差し込み窓を閉めておけば暖房の補助になる。そういった効果を配慮した断熱・気密住宅でした。 
 
 以上のような考えの断熱・気密住宅と木を組み合わせる事が今回のご質問に対しての弊社としての答えになるのかなと思います。

 ※思いもよらず長い文章になり申し訳ございませんでした。その割りにまとまりが無く分かり辛かったかも知れませんがその点ご容赦下さい。(私的に奥が深いご質門なもので…。)
またお聞きされたかった事と的がずれてるようでしたらどうぞご指摘下さい。宜しくお願いいたします。
 

住宅のヨシケンでは、皆様からのお問い合わせを受け付けております。
直接メールにてお問い合わせいただく場合は「info@yoshiken.ws」までお願いします。
 

バックナンバー
家こらむ 第2回はこちら


(C)2017 吉田建設株式会社